ベネズエラの石油輸出、増産と米国・インド向け販売で4年ぶりのピークに
国営石油会社PDVSAの出荷データと文書によると、ベネズエラの石油輸出は、原油生産量の増加とインドと米国への販売増加により、10月には日量95万バレルに近づき、4年ぶりの 高水準に上昇した。
この増加は、先月発生した大規模な貯蔵ターミナル火災((link))、6月以降の米国の制裁強化((link))、汚職疑惑による同国のペドロ・テレチャ前石油相と元PDVSA幹部の逮捕((link))にもかかわらず発生した。
ベネズエラ最大の油田地帯であるオリノコベルトでの処理作業の安定化を主因とする原油生産の回復により、重質原油在庫の回復が可能になったことが、PDVSAの文書で示された。
PDVSA (PDVSA.UL) とそのジョイント・ベンチャーは合計で平均947,387B/Dの原油と燃料を輸出し、前月を21%上回り、タンカーの動きを基にしたデータによると、2020年初頭以来、月間で最も高い数値となった。
また、2019年以来米国の制裁下にある南米諸国は、石油副産物および石油化学製品を31万4,500トン輸出し、9月の26万7,000トンをわずかに上回った。
シェブロン CVXの米国向け原油出荷量は28万B/Dのピークに達し、米国の生産者が昨年初めにベネズエラの重質グレードの輸出((link))を再開して以来最高となった。スペインのレプソル (link) REP も先月、ベネズエラ産 原油のカーゴを米国とスペインに輸出した。
PDVSAは、制裁 前のトップ市場であったインド (link) への輸出を増やし、先月は3カーゴ(約14万1,000B/D)を送った。
(link) 米国、欧州、インドへの原油供給は、シェブロン、レプソル、エニ ENI、モーレル&プロム MAU、リライアンス・インダストリーズ RELIANCE1!など、PDVSAの合弁パートナーや顧客の一部に対して、米国のライセンスに基づいて許可されている。
しかし、中国は10月もベネズエラの石油輸出の主な輸出先であり続け、385,300B/Dが直接・間接的に世界トップの石油輸入国に出荷された。中国への輸出は、平均45万1,500B/Dであった9月の方が多かった。
ベネズエラの政治的同盟国キューバへの輸出は、深刻なエネルギー危機の克服に苦闘している (link)、9月の2万2,000B/Dから2万8,000B/Dにわずかに増加した。
ベネズエラの燃料輸入も前月の67,000B/Dから81,000B/Dに増加した。